久々に書くプライベートのブログです。
私事ですが先日父が他界しました。
実は7月前半に声が出なくなり、病院に行くと全身に癌が転移していました。
病院の先生曰く、もう手の施しようがないところまで来ていたので、何も治療が出来ずそのままその日は病院から帰りました。
次の日に言われたのは余命が2週間。
長くても2.3ヶ月。
急に言われる父の余命。
現実を受け止めないといけませんが、色々と心の整理がつくには2週間は短過ぎます。
とりあえず産まれたばかりの3人目の娘に会わせてなかったので会いたいと言うので会ってもらったり。
初めて抱っこしてもらう娘ですが、嬉しかったのか良い顔をしています。
思えば長男も次女もサロンにカットしにきた時は顔を出したり、色々写真見せてくれとよく言ってたので孫が本当に可愛いかったんでしょう。
父は顔が濃く外人のようなホリの深い顔で一見怖そうなのですが、子供にはいつも甘い顔を見せている人でした。
他にも新居を見てみたいと言うので歩くのもきついなかリフォーム中の新居をみてもらったり。足がきついので中は入れず外だけだったのと、完成してゆっくりしたらなかったまで運んであげたかっだのですが、ギリギリ間にあいませんでした。
7月からはなるべく毎日朝はサロンに行く前に顔を出して、僕の作るコーヒーが美味しいと言うので朝コーヒーを渡しによってました。
それによってたまにサロンに少し遅刻したりしてお客様にもご迷惑をおかけしてしまいすいません。
ただ、そんなコーヒーもどんどん飲めなくなり、夜が寝れないので睡眠薬なども出してもらっていたので8月の終わりから朝行こうと思っていても寝てたりで顔を観にいけませんでした。
その時に子供のカットもしたので家に顔出そうとしたら寝てると聞いて、会わないで帰ると。
後で何故起こさない。孫を見たかったと言って怒ってたと聞いてまた今度会わせに行こうと思ったら今日になってしまいました。
昨日も仕事終わりに顔出せばよかったのにしなかったのが心残りです。
父は美容師だった
僕の父は美容師でした。
子供の頃からあまり遊んでもらった記憶はなく色々な場所にセミナーとか行ってたのを覚えています。
小学生の頃はアメリカにセミナーしに行っててそのタイミングでイラクとの戦争があり帰って来れるのかと心配したりもしました。
遊んだ記憶はさほどなく、僕と違いタバコは吸うし、酒癖は良くないし思春期の頃はあまり好きではありません。
ただ、そんな父親ですが僕がサロンに行くとお客様に感謝されていたり、綺麗なカットラインでこだわってカットしているのをバックルームで観て、僕の性格には向かないけど
【美容師になろう】と決めたのが高校生の時です。
僕は性格的には先生の言うことはキッチリする、宿題は忘れない、計画通りしないと気がすまない、テスト勉強は2週間前から余裕持ってする。
そんな性格なのでサラリーマン、公務員になるのが向いていると思ってました。
ですから父の息子でなかったら僕は絶対に美容師にはなってなかったでしょう。
専門学校行く時もできるか心配なのと、将来は経営もやらないとダメと思ったりで大学で経営情報を勉強しつつ通信で専門学校に通いました。
そんな時でも僕のやることには、何も言わずに店を継げとも、美容師になれとも言わないで見守ってくれていました。
よく考えたら中学から店にいた時に
【お父さん】と呼ぶなと言われていたのでそこからずっと家でも
【ディレクター】って呼んでましたね。
今更お父さん、父と呼ぶのは恥ずかしくて最後まで言えなかったですが、亡くなって寝ているようにしている父を見て
何十年ぶりに【お父さん】と呼べました。
遅かったですよね。
セミナー
美容師になってからはあまり技術は教えてもらえなかったですが、基本は見て覚えたり、他のスタッフに教えているのを見てたりしました。
でも本当にわからない時は聞いたら細かくカットの仕方を教えてくれたり、
よく一緒にセミナーに参加しました。
今思うと、若い子に混ざって年上のオーナーが行くセミナーではなかったと思うのですが
僕の為に一緒に行ってくれたり参加してくれていたのかもしれません。
子供の時に色々なとこに遊びに行った記憶はありませんが、大きくなって2人で行った色々なセミナーは今となってはいい思い出です。
よく一緒に行ってても父は顔が濃いから1人だけタクシーとかでも外人に間違われるし、似てないか親子にも見られなかったですよね。
大人になってからの方がほんと色々なエピソードとか思い出があります。
そして僕はあまり怒られた事もない事にも気づきました。
遊んだ記憶がなくても基本僕には怒らない。
やりたい事はさしてくれる。
孫を可愛いがって優しい顔で見てくれていると思っていましたが、嫁に聞いたら常に僕のことを心配してくれていて、家で色々と整理していたら僕の結婚式の時の写真、プレゼントした物、結婚式の招待状など色々大事に保管してくれてました。
母も知らかったらしいですが。
でも何年か前に脳梗塞で倒れた時に血圧が心配だからスマートウォッチで健康管理して欲しいからプレゼントしたのに、それまで使わないで保管していたらダメだよ。
健康でいて欲しいから渡したのに。
ちゃんと健康管理して、病院にも行ってたら孫の成長ももっと見れたのに。
バカだなぁと思います。
大事にしないで使えばよかったのに。
余命を聞いてから聞いた事
急な余命宣告で僕も感情がぐちゃぐちゃになっていた時に聞いておかないと後悔しそうで聞いた事があります。
【僕が美容師になって嫌ではなかったのか】
【技術以外の事でセミナーとかして嫌ではなかったのか】
父は技術の人だったし僕とは全然違います。
最後まで仕事をしたいしプライドがあった人。
そんな人から観たら僕のやってることは中途半端だったり嫌ではなかったのか。
今まで聞いてなかったんですが今しか聞けないから聞いてみたら
【嬉しかった】
どんな形であれ人前で立てるの素晴らしいし、美容師してくれたのは嬉しかったらしいです。
父のお客様に後に聞いたら僕が全国色々飛び回っていたのも嬉しかったらしいです。
でも僕は息子には継がせるつもりがないから僕の代で終わる事も告げたら
【美容師はなかなか長くは続かない。それなのに2代続いたのが嬉しいし素晴らしい、孫も3人も観れて俺は幸せ者や。】
と言ってくれました。
少しは親孝行ができたのかも知れません。
最後はとうとう立てなくなったのですが父の大事なお客様は僕が代わりにさせてもらい、身内なのでそこも安心してもらえたのかも知れません。
父なら行けと言うと思う
先日亡くなり、葬儀所に安置されているので顔を見て、今日までが付き添いができます。
そして2日後の水曜日にはお通夜です。
(ご迷惑をおかけしますが9月11日は夕方からお休みとなります。)
不思議なんですが父は母に8月に
【多分9月に自分は亡くなると思う】と言ったらしく本当にそのようになりました。
そんな父と会うのが今日と11日がラストです。
穏やかな顔で寝ていて、今にも起きそうな顔を見るとどうしてもまだ泣いてしまうのですが、今日は僕は朝から夜までセミナーです。
周りから無理せず休んだら?と言われましたが父も美容師で熱があっても体調が悪くても、足が不自由になり動きにくくなっててもお客様の前に立ってました。
そして同じようにセミナーをしてました。
そんな父なのできっと僕に
【セミナーはしてこい。話してこい】
と言うと思います。
親の顔を観るより仕事をする方が父は喜んでくれるかと思います。
貴方の息子として、ちゃんと美容師に向き合って行く為に今日は一生懸命仕事してきます。
何回みても似てないし、僕は真逆の人間だけどせめて仕事ぐらいは同じように一生懸命してくるよ。
【お父さん行ってきます。】
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